He has a dream
10数年通っているヘアサロンへ行った。
開業してからの付き合いで
この店以外のヘアサロンへ行ったことがない。
なぜそうなったのかと言うと、
私に用意されている雑誌は、ファッション雑誌でなくPENかBRUTUS。
イスに座ると、「どうします?」の言葉なく
「ちょっと見えてきたし、広がってるし、前髪切ったし」と言うと
少し髪をさわって、「では、カラーから」と一言。
他の店員たちは顧客とおしゃべりをするが
私の場合、「忙しい?」とお互い言うぐらいと
たまに、近況を話すぐらいだ。
カットが終わり、セットをしてくれているときに
「あの、来年1月から…」サロンオーナー。
「え?どうしたん?」私
「パリへ渡ることになりました」オーナー
「ええええ?」私
「サロンは、他の従業員3人と他に2人が加わって5人で新しくなります」オーナー
「もちろん、店の名前も変わります。」オーナー
「えー、いつまで行くの?」私
「まだ、決めてませんが日本に一時帰国したらサロンに出ます」オーナー
そう言えば、年に数回、1週間とか1ヶ月とか店を休んで
パリの知り合いの仕事を手伝っていたと話てたな。
主に、ショーの手伝いが多かったとも話てたな。
「やっぱり、ショーとかしたいから?」私
「そうですね。他にもありますが」オーナー
「40半ばやったな?頑張ってな、雑誌に出るくらいになってな」私
「はい。雑誌に出るかどうかわかりませんが…」オーナー
このオーナーを見てつくづく
夢はいつか叶うもので、それに自分で叶えるもんなんだなと思う。
昔から語学勉強もしているとも話てたし、
店内のかかる音楽もフレンチで内装もフレンチ風。
こつこつと地道な努力を積み重ねてきたんだと。
このヘアサロンもあと3回くらい通えるかな。
その後は?
まあ、来年考えたらいいか。